何気ない日常の中に、たまに”ふっ”と息子を感じることがあります。
家族全員で出かけたときも、みんなが「今のはお兄ちゃんだね」と同時に思うことがあります。
色々あったのですが、息子が動物好きだったこともあり、特に小さな動物たちから感じることが多いですね。
家族全員の前に、かわいくて小さいトカゲが、ピョコっと顔を出してこっちを見ていたり、
蝶々が私たちの周りをまとわりつくようにずっと飛んでいたり、
野生のリスやフクロウが近づいてきたり、
そんな時は、家族みんながお兄ちゃんを感じ、心を奪われ、気持ちが暖かくなります。
他にも不思議なこともありました。
息子が生前、「ここのレストランとても素敵だから行っておいでよ」と勧めてくれていた所がありました。
そこは、山の麓の森の中にあるイタリアンレストランで、
天気のいい日は上空にパラグライダーが飛んでいて、爽快な気分にさせてくれてます。
木のぬくもりが感じられ、自然の中に溶け込んでいるような、そんな雰囲気のあるとても良いレストランでした。
私たち家族は、一瞬でこのレストランが気に入りました。
行くときはいつも息子の写真を持っていき、テーブルに置いて家族みんなで食事をするという感じです。
息子の分の飲み物も注文し、食べ物も取り皿に分けて写真の前にお供えします。
2度目に行ったときの事ですが、いつもの様に息子の写真をセッティングし注文を済ませて、
私は、お気に入りのハートランドビールを注文し飲んでいました。
食事も進み、ビールが無くなりかけていたので「もう一本飲もうかなぁ」と、家族に言いました。
「飲みすぎないで」と言われながら、テーブルにあるピンポンを押そうとしたときに、
店員さんが向こうからビールを持ってこちらにやってきました。
「えっ、注文してませんけど」と私は言いました。
注文しようと思ってはいましたが、注文はしていない??
店員さんは不思議そうな顔をして「さっき注文しましたよね」と言いました。
まっ、どうせ飲むんだからと思い、もらうことにしました。
家族みんなで「絶対に注文してないよね」、「うん、してないしてない」と話しながら、
息子の写真のほうを見ると、いつも注文しているはずの長男の飲み物を、注文し忘れていることに気づきました。
きっと、「お兄ちゃんが自分で注文したんだね」ということになりました。
家族みんなが興奮し、とても不思議な感覚になったのを覚えています。
長男が一緒にいてくれるような気がして、うれしくて心が暖かくなりました。
それからは、なにかを期待して家族みんなで通っています。