やっぱり、時が経てば記憶は薄れ、悲しみは癒えていくものなのでしょうか、
3年が経った今では、心にぽっかりと穴が空いているものの、
以前の様に悲しみの感情に襲われるみたいな感覚はありません。
家族と笑って過ごせるときもあります。
そんな時は、息子に対して守ってあげられなかった罪悪感のようなものを感じます。
以前は、苦しみ悲しんでいることによって自分を許せていたんでしょうか。
息子との楽しかった記憶は、断片的であまりよく憶えていません。
事故の衝撃が強すぎて記憶が吹っ飛んだような気がします。
妻が撮りためた写真やビデオを、時系列できれいに編集してくれたので、
それを見て記憶をたどっています。
それと同時に、事故の記憶も頭の中で何回も反芻してしまいます。
それは、息子と過ごしたかけがえのない日々や、
事故によって別れることになった、あの地獄の様に苦しんだ時の記憶でさえも、
息子の人生の全てを、1ミリも忘れたくないからです。
忘れてしまうくらいなら、苦しくてもつらい記憶をとどめておきたいと思ってしまいます。
やっぱり時が経てば、記憶は薄れていき、ぼんやりしたものになっていくものです。
それが、時間が解決してくれるという事なのでしょうか。
悲しみに慣れてしまうというのか、悲しみが癒えていくように感じます。
それが逆に、とても寂しく感じます。